高尿酸血症・痛風治療のガイドライン

第1章緒言第2章定義および評価第3章治療第4章合併症、併発症に対する治療第5章生活指導

第2章 定義および評価

1.本邦における痛風・高尿酸血症の疫学

  1. 本邦の痛風患者は現在も増加傾向にある。 
  2. 現代日本における成人男性の高尿酸血症の頻度は約20%程度と推定される。 
  3. 痛風・高尿酸血症は多くの代謝異常を複合的に合併するマルチリスクファクター症候群といえる。 
  4. 高尿酸血症は、心・脳血管障害の独立した予測因子といえそうであるが、危険因子とするには介入試験の結果を待つべきであろう。 

2.痛風の診断と高尿酸血症の定義

痛風関節炎の診断基準 

1. 尿酸塩結晶が関節液中に存在すること 
2. 痛風結節の証明 
3. 以下の項目のうち6項目以上を満たすこと

1) 2回以上の急性関節炎の既往がある 
2) 24時間以内に炎症がピークに達する 
3) 単関節炎である 
4) 関節の発赤がある 
5) 第一中足趾関節の疼痛または腫脹がある 
6) 片側の第一中足趾関節の病変である 
7) 片側の足関節の病変である 
8) 痛風結節(確診または疑診)がある 
9) 血清尿酸値の上昇がある 
10) X線上の非対称性腫脹がある 
11) 発作の完全な緩解がある

3.痛風関節炎の診断上の注意点

1. 痛風発作中の血清尿酸値は低値を示すことがあり、診断的価値は高くない 
2. 関節液が得られたら迅速に検鏡し、尿酸塩結晶の有無を同定する 
3. 痛風結節は診断的価値はあるが頻度は低い

  1. 痛風は特徴的な急性関節炎である。診断基準は有用であるが、病因である尿酸塩を関節液中に同定することにより確定する。 
  2. 血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるものを高尿酸血症と定義する。性・年齢を問わない。

4.尿酸の測定

  1. 本邦では1970年代までは還元法が尿酸測定の主流であったが。1980年代以後酵素法が増加し、現在ではほとんどの施設が自動分析装置によるウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法で測定している。 
  2. 測定された尿酸値の施設間差はCVで27%に改善され、自動分析装置によるウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法は信頼できる測定法といえる。 
  3. 採血時期は食事を考慮せずに随時で良いが、恒常的な高尿酸血症の判定は複数回測定した結果で下すべきである。 

5.病型分類

  1. 高尿酸血症は、尿酸排泄低下型、尿酸産生過剰型、混合型に大別される。 
  2. 病型分類には、尿酸クリアランスおよびクレアチニンクリアランス測定を行う。
    尿酸排泄低下型:CUA(尿酸クリアランス)<6.2ml/min
    尿酸産生過剰型:EUA(尿中尿酸排泄量)>0.51mg/kg/h 
  3. 治療中の病型の変化に注意する。 

 


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